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子どもの運動音痴に家庭教師、請け負いビジネス次々(引用記事:朝日新聞【2006/05/09】)

 体育専門の家庭教師に、「遊び」の講座を開くスポーツクラブ――子どもの体力や運動能力低下が指摘されるなか、子どもを対象にした「運動音痴ビジネス」が盛況だ。体を動かす楽しさを伝えようと、Jリーグやプロ野球のチームが直接指導に乗り出す試みも進んでいる。塾通いや室内遊びの時間が増え、体を動かす外遊びの減少に専門家は危機感を強めている。

 「手を振るときはひじを曲げて」「アゴを引いて走ろう!」

 日曜日の午後、東京都心部の運動場。体育専門の家庭教師、野村朋子さんと一緒に、小学4年のサトシ君(9=仮名)が50メートルを駆け抜けた。この日は5本走ってタイムが0秒8縮まり、「もっと走りたい」とぴょんぴょんと跳びはねた。

 小学2年で逆上がりや縄跳びを習った家庭教師を、業者を変えて昨年末から再開した。苦手だった跳び箱が跳べるようになり、遊びの輪にも積極的に入っていけるようになった。母親(42)は「公園に一人で行かせるのも危ないし、父親は仕事で忙しい。できることは与えてあげたい」と話す。

 5年前は数社程度だった体育の家庭教師派遣業者はいまや、東京、大阪、名古屋など都市部を中心に約20社、市場規模は大人の対象分を含め、1億円以上といわれる。授業料は1時間の個人レッスンで6千~7千円。業界関係者は「子どもの体力不足が多く取り上げられ、潜在的にあった需要が掘り起こされた」と見る。

 野村さんが所属するスポーティーワン(本社・東京都渋谷区)では、01年に約100人だった会員が現在800人に急増。今後、経営ノウハウを広く売っていく考えだ。

 後発のスポーツマジック(本社・東京都渋谷区)の会員は500人強。元エスビー食品所属の中、長距離選手だった山本豪社長は専門性を売りにしたが、実際には「せめて人並みに」という子どもが約7割に達しているという。

 新規ビジネスとして注目する、スポーツクラブも参入を始めた。ルネサンス(本社・東京都墨田区)では、未就学児を対象とした「遊び」の講座を6月から開く。風船やフラフープを使った遊びのなかに「幼少期に身につけるべき動き」を盛り込み、隔週で半年間、全12回で約40の基本動作が習得できるというもの。受講料は1回2500円。「子どもの体力低下の背景には、時間、空間、仲間の三つの間が失われたことがある。それを提供したい」と同社の鹿野秀昭さんは話す。

 ◆底辺拡大へプロも動く

 プロ野球の巨人は今春から「ジャイアンツアカデミー」を開校した。5歳から12歳までを4クラスに分け、野球を基本から教える。年会費8400円、毎月の授業料は小学2年まで5250円、それ以上は7350円で東京都江東区と墨田区のグラウンドで平日を利用して行われている。

 ユニークなのは、5、6歳を対象とした幼児コースの設置や、試合はせずにあくまで基本技術の指導に重きを置いている点だ。幼児クラスは、遊びながらボールに親しめるようなメニューが組まれている。子どもたちはティーボール用のプラスチック製のバットや軟らかいボールで練習する。

 ある幼児の父親は「キャッチボールも公園でできないケースが多く、野球に親しむにはいい機会」と話す。また、最近の幼児を巡る事件を気にする保護者も多く、「こういったスクールに通うのなら安心」。集団生活のルールを学べるなど期待は大きいようだ。

 Jリーグはスポーツ全体の底辺拡大を目的に、各クラブが地元の幼稚園や小学校に出向き、無料で巡回指導をしている。

 「ただエリート選手を育てるのではなく、スポーツや遊びを通じて体を使う楽しみを伝えたい」とJリーグの技術・アカデミー部の山下則之マネジャー。トランポリンや平均台、バランス感覚を育てるゴムボールなどを使い、遊びながら取り組む工夫をしている。

 また、文科省は今年度、元五輪選手らが小学校などを訪れ、スポーツへの興味を高める事業に04年度から2千万円増の5千万円の予算をつけ、訪問先も235カ所から350カ所に増やした。

 ◆9歳男子体力、20年前の女子並み

 文部科学省の調査によると、子どもの体力・運動能力はピークだった85年度から低落傾向を続けている。昨秋発表の04年度体力・運動能力調査では、小学3、4年生にあたる9歳男子の走ったり跳んだりする能力は、約20年前の女子レベルという結果が出た。

 文科相の諮問機関・中央教育審議会は02年の答申で、少子化と都市化による遊び仲間の減少や、ゲーム機器の普及による遊びの変化などを体力低下の理由として指摘している。

 山梨大学教育人間科学部の中村和彦助教授は「ここ数年がかぎ。もう少しすると、子ども時代に遊んでいない世代が親になる。そうなる前に社会の意識を高める必要がある」と訴える。

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