◎◎老いて人間並みに手がかかり…ニーズ増えビジネス拡大
大切な家族の介護のお手伝いをします−。といっても、高齢になって弱った飼い犬の話。食事、排泄、散歩などで人間並みの介護が必要で、体力的にも精神的にもきつい。このため、介護補助サービスを始めた愛好家や、犬専門の介護グッズを扱うメーカーや店も増えた。足腰が弱ったペットのために、はり・きゅうで治療をする獣医師も。ペット介護ビジネスが広がりをみせている。
●個別にプラン
介護補助サービス始めたのは、大淀町の天川慎太郎さん(40)。根っからの動物好きが高じて2年前に東京都内のIT関連企業を辞め、「愛犬のお散歩屋さん奈良店」(0745・32・8525)を王寺町で開いた。
飼い主から高齢化した大型犬についての悩みの相談を受けることが多くなった。90年代前半に人気が出たゴールデンレトリーバーなどが高齢化を迎えたためらしい。
天川さんも、人間でいえば80歳近い雑種を飼っている。歩行が困難になり、トイレの場所を忘れてしまうといった認知症の症状も出始めた。室内の出っ張りや棚・階段の角などぶつかりやすい場所にテープを巻いたり、玄関の段差をなくすために手作りのスロープをつけたり……。自分のノウハウをもとに、犬の性格や行動パターンを観察して、個別の介護方法をプランニングする。
香芝市の主婦(35)は13歳のアラスカン・マラニュートの介護方法のアドバイスを求めた。天川さんはまずフンの様子を見て「消化にいいシニア用のドッグフードに変えたほうがいい」と助言。歩き方から後ろ足が弱っていることもわかり、「散歩は飛び越えなくてもすむように、さくや溝がないところを通りましょう」と障害物がないルートを作成した。
現在は訪問アドバイスが中心だが、将来は高齢犬「介護ホーム」の建設を夢見る。
●おむつパンツ
ペットフード工業会(東京都中央区)の調査によると、飼い犬の約4割は7歳以上の高齢犬。ペットフードの改良やワクチン接種の普及などで平均寿命は延びているという。
介護用品の市場も拡大している。「ヤマヒサペットケア事業部」(本部・大阪市)は2月に老犬介護用品のブランドを立ち上げた。飼い主へのアンケートをもとに12種類の商品を販売している。
しっぽ部分に穴のあいたおむつパンツは5種類を用意。このほか、足腰の弱い犬用に高さを調節できる食事台や床ずれ予防クッションなどが人気を集めている。同社は「予測を上回る好調な売れ行き」と話す。
●はりで治療
獣医師らが寝たきりになった高齢犬の治療をする機会も増えてきた。「とよなが動物病院」(大阪府八尾市)では、動けなくなったペットのために、4年前にはり・きゅうを使った治療を始めた。1年間に施術する約70頭のうち、約8割が高齢犬だという。豊永真弥院長(38)は「気持ちいいのか、暴れるペットはほとんどいません」。
「ヒトと動物の関係学会」常任理事で獣医師の井本史夫さんは「ペットとはいえ、自力での介護は非常に大変。介護サービスにはかなりのニーズがあるのではないか。しかし、一番大切なのは飼い主が愛犬を最後まで責任を持って飼うことだ」と話す。
←人気ブログはここでチェック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

